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『三年身篭る』 [映画(・・・?)]


女優としても独特の個性を発揮してきた唯野未歩子が初監督。主演に映画初出演にして初主演のオセロの中島知子を迎えた超話題作。話題なのは顔合わせだけではなく、その中身。中島は妊娠27ヶ月という驚異の妊婦に扮しているのである。

しかし、物語は何てことない。
29歳の冬子は妊娠9ヶ月。夫に愛人が居ることを知ってはいても、そのうち終わる関係と気楽に構えている(本当にそのうち終わる)。妹の緑子は冬子とは容姿も性格も正反対。親の世代の恋人を持ち、毎日ラブラブ。そして産気づく気配のないまま冬子は妊娠18ヶ月目に突入。お腹から赤ん坊の声は聞こえているのに・・。母と祖母は「育児しなくていいから楽ね~」と何故かクール。緑子の恋人は医師で、冬子をネタに世界初の症例論文を狙う。緑子はそんな彼を見て怒り狂い・・そして遂に妊娠27ヶ月目に・・。

というおとぎ話のような展開である。シュールでメルヘン。あり得ない話だけど、大切なものは何かという現実的な問いを突きつける。
中島演じる冬子はボ~ッとしたマイペースな女性。正直、彼女のイメージって今までこうじゃなかったんだけど、とても自然に冬子役を演じていて、とにかく優しく可愛らしい。夫役は西島秀俊。間抜けだけど憎めない夫を好演。妹の緑子は奥田恵梨華。恋人に「あなたと同じ身体になりたいの」と言って同じものをパクパク食べるシーンに激しく共感!!!!!!!!彼女は物語の後半で”男とは何か”とセクシュアリティに疑問を抱き始め、恋人に女装を要求する・・・恋人を演じる塩見三省の女装(しかもパンク)はキツかった(笑)。脇を固める木内みどり、丹阿弥谷津子も素敵な存在感。

もう一つの主役は、美味しそうな食べ物たち。特に映画の前半は殆ど食べるシーンばかりと言っていいほど、次から次へと、素朴だけど誰もが心惹かれる”家庭の味”が登場する。お墓参りついでにピクニック、そこで広げるお弁当、家族で囲む豆乳鍋、五目御飯、恋人と食べる緑子のパンクな弁当・・夫の手作りのおにぎり。

心がほんわかと温かくなる女性必見の映画


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