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『ローズ・イン・タイドランド』 [映画(・・・?)]

7年ぶりの新作『ブラザーズ・グリム』が公開されたばかりのテリー・ギリアム。早くも次の作品が待機中。原作はアメリカの人気作家ミッチ・カリン著『タイドランド』で、ギリアム版”不思議の国のアリス”とも呼べる、少女の幻想世界を映像化したファンタジーだ。

ママもパパもヤク中で悲惨な家庭に育つ少女、ジェライザ=ローズ。彼女の毎日は両親の世話をすることから始まる。ところが、ある日、ママが急死。ジェライザ=ローズはパパと二人でパパの故郷へ向かう旅に出る。パパの実家に着くとパパはすぐにクスリで”バケーション”へ。独りぼっちのジェライザ=ローズの友達は4体のバービー人形の頭だけ。彼女たちとお話しながら彷徨っていると、理解不能な言葉を話すリスや、黒尽くめの幽霊女デル、彼女の弟で10歳のまま心の成長が止まってしまった青年ディケンズに出会う・・・。

例によって奇想天外な展開だが、せっかくこういう話なら、もっと映像に凝ってみても良かったのではというのが正直な印象。水でいっぱいになった家の中を泳いだり、穴に落ちていく幻想的なシーンは登場するが、こういう場面がもっと欲しかった。特に前半は幼い女の子の一人遊びを傍目で眺めている域を脱していない。ジェライザ=ローズはアリスのようにおませで好奇心旺盛な女の子。冒険を続けていくうちに彼女はディケンズに淡い恋心を抱き、次第に小悪魔してくるし、幽霊女デルが施す”手術”などブラックな展開もある。だからこそ、もっと濃く、もっとグロテスクに・・と願いながら観てしまった。テーマは非常に私好みだっただけに(笑)。ジェフ・ブリッジス演じるパパの”なれの果て”に注目。小説で読んでみるのも面白いかも。

公式サイト凝ってる!
http://www.tidelandthemovie.com/main.html

tideland
2005年アメリカ
監督:テリー・ギリアム
出演:ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・テイリー、ジャネット・マクティア、ブレンダン・フレッチャー他

今夏、恵比寿ガーデンシネマ他にて公開

テリー・ギリアムのDVDはこちら


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