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『ナオミ・ワッツ プレイズ エリー・パーカー』 [映画(・・・?)]

『ザ・リング』『キング・コング』など大ヒット作のヒロイン役に抜擢され、オスカーノミネートも経験、今やハリウッドのトップ女優の座にのぼり詰めたナオミ・ワッツだが、実は20代の頃は殆ど注目されず下積み時代が長かった。彼女が注目されるきっかけとなったデヴィッド・リンチ監督『マルホランド・ドライブ』で知り合った俳優仲間スコット・コフィと共に16分の短編コメディを製作中、現実に彼女が無名女優からハリウッド・スターになってしまい、結果的にフィクションともノンフィクションとも言える作品として誕生したのが本作である。2001年のサンダンス映画祭で発表され、その後、監督のコフィとナオミが自らの体験を織り交ぜながら一本の長編へと発展させた。

無名女優のエリー・パーカーは、スターを夢見て一日中オーディションを受けて回っている。車でオーディション会場を駆け回り、トランクの中には役に合わせた様々な衣装がギッシリ。移動中にメイクと着替えを済まし、台詞を暗記。これが彼女の日常だ。売れないロックミュージシャンの恋人もいるが、エリーに隠れて浮気をする彼にいい加減ウンザリ。うまくいかない毎日に苛立つエリーは、ある日、売り出し中のフォトグラファー、クリスと出会う。オーディションに落ち続け、失意の底に居るエリーに、超大作のオーディションのチャンスが巡ってくる。これが最後と決意して会場に向かった彼女が目にした光景は・・。

本当にドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥るが、ナオミが演じているのはあくまでエリー・パーカーという無名女優。でも、彼女の下積み時代とオーバーラップするので、とても興味深い。女優志望の人が見ると刺激になるかも。それから、本作にはハリウッドの内幕を覗き見するような感覚もある。特に、ラストでエリーが受けるオーディションの風景・・その異様さは、現実のハリウッドにおいて普通にあり得ることなのか?役になり切るエリーの七変化にも注目。私はナオミ・ワッツには一度だけ実際に会ったことがあるが、小柄で可憐な印象だった。だから、どんなにビッチなメイクや扮装をしても、毒々しい青色のアイスにかぶりついても、知的で上品。なんだか憧れる。
キアヌ・リーブスがドッグ・スターのライブ場面でちょっとだけ出演。

ELLIE PARKER
2005年アメリカ
監督:スコット・コフィ
製作:スコット・コフィ、ナオミ・ワッツ
出演:ナオミ・ワッツ、レベッカ・リグ、スコット・コフィ、マーク・ペルグリノ、チェビー・チェイス、キアヌ・リーブス

今秋、シアター・イメージフォーラムで公開


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