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『テキサス・チェーンソー ビギニング』 [映画(ホラー)]

13日の金曜日に観てしまった。
ホラー映画の名作で、芸術性の高い映像が評価され、NY近代美術館にフィルムが保存されているという『悪魔のいけにえ』。人の皮を繋ぎ合わせた面を被り、チェーンソーを唸らせながら執拗に追いかける場面は世界中の人を恐怖に陥れた。そのリメイク版『テキサス・チェーンソー』が2003年に公開され大ヒットを収めたが、今回公開されるのは、”レザーフェイス”の誕生時にまで遡る。つまり、過去を描いた続編と言える。製作は『パール・ハーバー』『アイランド』の監督でハリウッドのヒットメイカー、マイケル・ベイ。レザーフェイスを演じるのは前作に続いてアンドリュー・ブリニアースキー、彼の叔父で謎の保安官(?)を演じるのも、前作と同じR・リー・アーメイ。

1939年8月、一人の女性が自らが働く食肉処理工場で倒れ、そのまま赤ん坊を出産。その子は障害を持っており、生肉の包装紙に包まれゴミ容器に捨てられた。偶然ゴミを漁っていた女性が赤ん坊を見つけ、その子はトーマスと名づけられる。トーマスは幼い頃から小動物を殺して解体する趣味を持つような子で、成長してからは食肉処理工場で働く。工場が閉鎖されると、その衝撃で工場長を撲殺。一方、べトナム戦争拡大の最中、戦線に向かう直前の若者を含む男女4人がテキサス横断の旅行に出ていた。道中出会ったのはトーマスの叔父。彼は若者たちを脅し、無理やり連れ帰る・・。

結構怖い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(涙)。基本的にホラーは平気なのだけど、この映画は何度も目を伏せてしまった(そのため、肉切断の場面などまともに映されていたのかどうか不明)。笑おうと思えば笑える箇所もあるのだろうが、ゾンビものや一部の笑えるホラーとは違って、こちらは真面目に怖く作ってある映画。恐怖に泣き叫ぶ若者たちを拘束し、チェーンソーで切断するスプラッタ描写は勿論のこと、トーマスと彼の家族の異常性も別な意味で怖い。『悪魔のいけにえ』のもとになったと言われる(監督本人は否定)実在の殺人鬼、エド・ゲイン事件もこんな風だったというから、アメリカの猟奇殺人は計り知れない異常性を秘めている。ホラー映画の場合、恐怖の度合いが強ければ強いほど「面白かった」と表現するのが正しいかもしれない。だとしたら、この映画は成功している。日本のホラーのように尾を引く恐怖とは違うが、チェーンソーの音、人間の悲鳴、物言わぬトーマスの存在だけで充分に恐怖のプレッシャーを与えてくれるし、映画の後半では、観客が逃げるヒロインと一体化する。実際、『悪魔のいけにえ』は、血を見る場面は少ないものの、ドキュメンタリータッチの映像がリアルで怖いと言う(いつか観ようと思っていたけど、本作を観て自信がなくなった)。最近ではフランス製ホラー『ハイテンション』でもチェーンソーが登場したが、一瞬たりとも気を抜けない恐ろしさはこちらの方が上。

キーワード;食肉処理工場、自傷、ベトナム戦争、チェーンソー、保安官、人肉

The Texas Chainsaw Massacre: The Beginning
2006年アメリカ
監督:ジョナサン・リーベスマン
出演:ジョルダーナ・ブリュースター、マット・ボーマー、テイラー・ハンドリー、ディオラ・べアード、アンドリュー・ブリニアースキー、R・リー・アーメイ

11月、渋谷東急他にて公開

『悪魔のいけにえ』のDVD発売予定↓

悪魔のいけにえ スペシャル・エディション コンプリートBOX(3枚組)


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