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『ア・グッド・イヤー プロヴァンスからの贈り物』 [映画(ヒューマンドラマ)]

実はこの映画の完成披露試写はヌーボーワインの解禁日に合わせて行われた。試写会場に入ると、甘酸っぱいワインの匂いが立ち込めている。一人一杯、ヌーボーをサービスしてもらって飲みながらの鑑賞・・という贅沢な試写会だった。

『グラディエーター』でアカデミー賞5部門受賞という快挙を成し遂げたリドリー・スコットと同作でオスカー俳優となったラッセル・クロウが再びコンビを組み、今度は全く違う世界の感動作を作り上げた。原作は「南仏プロヴァンスの12ヶ月」で世界中に南仏ブームを巻き起こしたピーター・メイルの最新作。30年来の付き合いだという監督とメイルの友情によって生まれた映画とも言える。

マックスはロンドンの金融界で活躍する凄腕トレーダー。出世街道まっしぐらの彼は、ニュースで報道されるほどの莫大な利益をあげ、成功に酔いしれる。そんな彼のもとに叔父の死の知らせが入り、30年ぶりにプロヴァンスを訪れる。ここに叔父はブドウ園とワイナリーを持っていたのだ。到着早々不味いワインを飲んだマックスは即、遺産の売却を決意するが、この地で運命の女性と出会ってしまう・・。

言うまでもなく、この映画のもう一つの見どころはプロヴァンスの美しい景色・・と言いたいのだが、マックスの行動範囲がロンドンとプロヴァンスの往復で、プロヴァンスでもあまり広範囲に動かない。せいぜい、時々登場する街の様子とブドウ園ぐらい。どちらかというと”プロヴァンスでの生活”を紹介するようなシーンが多い。窓辺に置かれたラベンダーのポプリ(?)や、部屋の床を這うサソリ、テニス、屋外での食事、そしてワイン作り・・。その場の新鮮な空気が伝わってくるよう。派手な見せ場はないが、マックスが出会う人々の個性が面白い。長年、畑の面倒を見てきた夫婦や、叔父の娘だと名乗る女性=隠し子の登場、そしてマックスの決心を左右する魅力的な女性、ファニー。

一時期、暴れん坊のレッテルを貼られていたラッセル・クロウがイメージを一新するようなキャラクターを自然体で演じているのが話題。ファニーを演じるのは『世界でいちばん不運で幸せな私』(嫌いだった・・この映画)のマリオン・コティヤール。回想シーンに登場して名言を残すヘンリー叔父さんに名優アルバート・フィニー。少年時代のマックスは『チャーリーとチョコレート工場』の名子役フレディ・ハイモア。また、ヘンリーの隠し子であるアメリカ女性にオーストラリア出身の期待の大型新人アビー・コーニッシュが扮している(彼女、シャラポワそっくり・・)。

「ここは僕の人生に向かない」
「違うわ、あなたの人生がここに向かないのよ」
の会話が印象的。

キーワード;
携帯電話、プール、チェス、サソリ、テニスコート、ビストロ、ワイン

A Good Year
2006年アメリカ
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ、マリオン・コティヤール、アルバート・フィニー、フレディ・ハイモア、アビー・コーニッシュ他

2007年春、有楽町スバル他にて公開

※先ごろ、この映画の公開無期延期の知らせを受け取りました。したがって、公開予定は今のところありません。ご了承ください。


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