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『パリ、ジュテーム』 [映画(・・・?)]

ヌーヴェルバーグの名画『パリ、ところどころ』の現代版のような、パリの街のあちこちを舞台にしたオムニバス映画で、アメリ』のプロデューサー、クローディー・オサールが企画した。彼の呼びかけに応え、世界中から集まった監督は18人。しかも、そのメンバーはコーエン兄弟やガス・ヴァン・サント、超話題作『パフューム』の日本公開が間近のトム・ティクヴァ、『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ、アルフォンソ・キュアロン、クリストファー・ドイルら錚々たる顔ぶれ。キャストにはジェラール・ドパルデューやファニー・アルダン、ジュリエット・ビノシュ(あんまり好きじゃないが)、ボブ・ホスキンス、ウィレム・デフォー、イライジャ・ウッドら。彼らがそれぞれのショートストーリーを語るのに許された時間は・・・たった5分。

瑞々しい感性が光るグリンダ・チャーダ監督の「セーヌ河岸」、コーエン兄弟監督でスティーブ・ブシェミが”不運な男”を演じたユーモラスな「チュイルリー」、『ヴェルヴィル・ランデブー』のシルヴァン・ショメ監督が、さながら『ヴェルヴィル・・』の実写版のようなイメージで描くパントマイム・ストーリー「エッフェル塔」、ヴァンパイアをテーマにした異色作品、ヴィンチェンゾ・ナタリの「マドレーヌ界隈」、トム・ティクヴァ監督が女優志望のナタリー・ポートマンと盲目の学生を主人公に描く切ないラブストーリー「フォブール・サン・ドニ」、そしてトリのアレクサンダー・ペイン作品「14区」は最後を締めくくるのに相応しい温かく優しい作品で、これはかなり良かった。

18本それぞれのストーリーと解説は省くが、5分という時間がこの映画の要。短すぎる。5分ごとに違う物語に切り替わるために集中力が持たない。どうしても一つ一つの作品の余韻は多少引きずるので、ちょっといいなと思ったストーリーの次の作品は大抵印象が薄いという結果に・・。しかし、企画はとても面白い。街が作るイメージも味わえる。同じ条件で東京を撮った作品を観てみたい・・と思ったのは私だけだろうか。

PARIS,JE T' AIME
2006年フランス
監督:ブリュノ・ポダリデス、グリンダ・チャーダ、ガス・ヴァン・サント、ジョエル&イーサン・コーエン、ウォルター・サレス&ダニエラ・トマス、クリストファー・ドイル、イサベル・コイシェ、諏訪敦彦、シルヴァン・ショメ、アルフォンソ・キュアロン、オリヴィエ・アサヤス、オリヴァー・シュミッツ、リチャード・ラグラヴェネーズ、ヴィンチェンゾ・ナタリ、ウェス・クレイヴン、トム・ティクヴァ、フレデリック・オービュルタン&ジェラール・ドパルデュー、アレクサンダー・ペイン

春公開


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