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『蒼き狼 地果て海尽きるまで』 [映画(伝記・実話)]

角川春樹製作が構想27年をかけた念願のプロジェクトを実現。この春一番の邦画話題作であることは間違いない。森村誠一原作、主演に反町隆史を迎え、モンゴルの英雄チンギス・ハーンの知られざる生涯を描く超大作。

モンゴル部族の長の第一子として生まれたテムジン(後のチンギス・ハーン)は、14歳で対立する部族に父親を殺される。長を失った部下たちはテムジンを、彼らの子孫”蒼き狼”の血を受け継いでなどいない、と言い捨て去っていく。確かに、テムジンの母親は敵から略奪した花嫁だった。しかし、不屈の魂を持つテムジンは成長してボルテという妻を迎え、リーダーとしてのカリスマ性も増していった。彼に心酔する若者たちと共に闘い、勢力を拡大していった矢先、ボルテが敵に誘拐されてしまう。10ヵ月後にようやく救出したものの、彼女は身篭っていた。母と同じ運命を辿るボルテを見たテムジンは・・・。

相当お金をかけた映画なので、すべてが豪華絢爛。同じような場面が続く中盤が少々退屈だが、戦闘シーンは勿論のこと、モンゴル部族の衣装や住居など見どころは多い。ただ、サムライ顔の反町隆史が、どうしてもチンギス・ハーンってイメージじゃない。なんで日本人がこの映画を作ったのだろう?(勿論、台詞は日本語)我侭言うようだが、朝青龍みたいな顔の人がチンギス・ハーンじゃないと気分が乗らない・・(涙)。

ストーリーは、テムジンの出生や、同じ宿命を背負って生まれた息子への愛と憎しみ、親友との友情と対立、妻への愛など、様々な視点でテムジンの人物像を描いている。同時に、当時戦利品として”モノ扱い”されていた女たちの物語でもあり、隠れた主役は女性たちだとも言える。
キャストは反町隆史がひたすら目立つばかりで、他の役者たちに力がない。息子を演じる松山ケンイチは短い出演シーンながらも鮮烈な印象を残しているが、親友ジャムカはもう少し名のある俳優がやるべきだったのではと感じるし、松方弘樹や津川雅彦ら大御所たちが意外に地味。ボルテ役の菊川怜や母親の若村麻由美、テムジンの第二夫人を演じる韓国の新人女優Araら女優陣は(恐らくストーリーの関係もあると思うが)存在感があった。
個人的には、モンゴルの食べ物などももっと映して欲しかった(笑)。
監督は澤井信一郎。

キーワード;
メルキト、花嫁、略奪、父、兄弟、戦利品、タタール、親友、母、よそ者

2007年日本
監督:澤井信一郎
製作総指揮:角川春樹
出演:反町隆史、菊川怜、若村麻由美、袴田吉彦、松山ケンイチ、Ara(新人)、野村佑人、平山祐介、保坂尚希、榎木孝明、松方弘樹、津川雅彦他

3月3日より全国公開

©2007「蒼き狼」製作委員会

原作購入はこちら↓

地果て海尽きるまで―小説チンギス汗〈上〉


地果て海尽きるまで―小説チンギス汗〈下〉


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