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『河童のクゥと夏休み』 [映画(アニメーション)]

『クレヨンしんちゃん』(映画)シリーズの脚本・監督を担当した原恵一が、20年の思いを実らせて誕生した本作は、児童書「かっぱびっくり旅」(小暮正夫著)が原作。かなり昔からある本だが、アニメ化はこれが初めてだという。小学生の康一と河童のクゥの友情を温かく描いた感動作だ。

夏休みを控えたある日、学校からの帰り道に化石のようなものがはまった石を拾った康一。家に持ち帰って洗ってみると、その”化石”が動いて河童の子供が現れた!河童にクゥと名づけた康一は、クゥが何百年もの間地中に埋まっていたことを聞かされる。康一と家族はクゥを温かく受け入れ、楽しい毎日を過ごす。康一は河童伝説の残る遠野にクゥを連れて2人旅(?)にも出かける。ところが、遠野から戻った康一を待ち受けていたのは週刊誌のカメラマンだった・・。

試写状に描かれた絵柄を見てもあまり可愛いと思わなかったのに、映画が始まってみると何とまあクゥの可愛らしいこと。大きな瞳で礼儀正しく、「お初にお目にかかります」なんて言ったりする。義理堅いのも河童の流儀?河童以外の妖怪も登場し、岸田劉生の「麗子像」がデフォルメされたような座敷童子に場内が沸いた(笑)。

映画の後半は、マスコミに追われて康一たちと街の人々が大混乱に陥る。TV出演したクゥが、地中に埋まる前に目の前で殺された父親の片腕と再会するシーンは涙を誘う。スタジオを飛び出したクゥは東京タワーに昇り、孤独に悲しむ・・。お決まりだが、康一の少年から大人への成長を、クゥとの別れと彼の初恋も絡めて描いているのもポイント。クゥと康一の飼い犬”おっさん”との不思議な絆も見逃せない。2時間19分という長さが小さい子供には耐えられないかもしれないので、それが気がかり。でも、クゥの可愛さにひたすら心を奪われるうち、時間はあっという間に過ぎた。

キーワード;
川、相撲、東京タワー、父、座敷草子、先祖、マスコミ、TV、初恋、キジムナー

2007年日本
監督:原恵一
声の出演:田中直樹(ココリコ)、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ(ガレッジセール)他

7月28日(土)よりシネ・リーブル池袋他全国ロードショー

c 2007 木暮正夫/「河童のクゥと夏休み」製作委員会


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