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『オフサイド・ガールズ』 [映画(社会・世界)]

イラン映画と言えば子供を主役にしたものが多い。女性を主役に出来ない、恋愛モノはタブー・・というのが理由だが、結果的に癒しオーラで包まれた心温まる作品として印象を残すことが多い。本作『オフサイド・ガールズ』は、そんなイラン社会で生きる女性たちが日常においていかに抑圧されているかをユーモラスに描いた内容。監督は『白い風船』のジャファル・パナヒ監督。

イランでサッカーは国民的スポーツ。男性だけでなく、女性もサッカーファンだ。でも、女性がスタジアムで観戦することは禁止されている。とはいえ、今日は代表チームのドイツワールドカップ出場がかかった大事な試合。どうしてもスタジアムで見たい!そこで少女たちは男装してスタジアムに潜り込むが、あっさりとバレてしまい・・・。

従来のイラン映画のイメージを覆す・・というと大袈裟だが、女性がここまでワーワー騒ぎまくるイラン映画は初めて観た。どの子も生き生きと輝いている。場面展開はあまり多くなく、大きく分けてバス→スタジアム→バス(護送車)。特にスタジアムで彼女たちを拘束した兵士たちとのやりとりにはかなり長く時間をとっている。勿論、その間色々と起こり、トイレ一つ行くにもあり得ないほど大騒ぎ(女性用のトイレがないのだ)。囲いの中でお喋りを始めて隊長を困らせたりする。試合終了をラジオで知り、護送車の中で抱き合って喜ぶシーンから一気にラストへ。非常に気持ちのいい、それこそスポーツの後のような爽やかさに満ちた快作だった。しかし、その一方でイランの女性がいかに自由を剥奪されているか考えさせられる面も・・。
笑いを提供しながらもさり気なく社会問題を提起しているところが、ぬかりない。
少女たちの男装姿が見もの。

キーワード;
フェイスペイント、ワールドカップ、実況中継、トイレ、軍服、ラジオ、爆竹

OFFSIDE
2006年イラン
監督:ジャファル・パナヒ
出演:シマ・モバラク、サファル・サマンダール、シャイヤステ・イラニ、Mキェラバディ他

8月下旬、日比谷シャンテシネにて公開


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