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映画(サスペンス、スリラー) ブログトップ
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『エロチック乱歩 屋根裏の散歩者』 [映画(サスペンス、スリラー)]

これまでに3度映像化された江戸川乱歩原作の傑作ミステリー。

編集者の奈緒子は、おどろおどろしい作風で知られるカルト画家で今は亡き郷田三郎について取材をしている。彼が生前住んでいた東栄館を訪ね、数日間そこに滞在するが、どうもここの住人の様子が普通と違う。住人である夫婦の幼い一人娘、マドカが奈緒子に言う。「郷田先生は屋根裏が好きだった」と・・。そこで奈緒子が屋根裏に行ってみると、天井から住人たちの部屋を覗くことができた。・・しかし、その部屋の一つを見たとき、奈緒子は驚愕する。全裸のまま椅子にで縛られた傷だらけの女性がそこに居たのだ・・。

この後、奈緒子は世にも恐ろしい体験をすることになるのだが、住人たちが郷田亡き後も「そういう行動」(ネタバレになるので伏せる)を取らなければならない理由が今ひとつハッキリしない(原作通りなら仕方ないが、かなり変えられているような気が・・)。奈緒子を演じるのは元グラビアアイドルの嘉門洋子。ううむ、彼女の雰囲気がこの役に合っていると思えない・・花弁が舞う中裸で悶えたり、セミヌードで縛られて悶えたり・・などの「悶え」シーンがあるので、そのために選んだのか?住人たちは全員明らかに最初から癖があるので、ラストで見せる「本性」を見ても全然意外でない。

確かに、猟奇的で耽美な世界を堪能できるが、デジカメや「カラオケ」などという言葉が出てくるので時代設定が現在なのだろうか。本作は「エロチック乱歩」と題して『人間椅子』と対で上映される。

キーワード;
霊媒師、指輪、カメラ、切断された指、屋根裏、焚火、ピエロ、芋虫、火事

2006年日本
監督:三原光尋
出演:嘉門洋子、窪塚俊介、村木仁、永瀬ひかり、清水萌々子、遊井亮子、木下ほうか、でんでん

夏公開


『ストレンジャー・コール』 [映画(サスペンス、スリラー)]

『トゥーム・レイダー』『コン・エアー』などアクション大作を手がけてきたサイモン・ウェストの新作は、これまでとは全く違った舞台が選ばれた。ベビーシッターを恐怖のどん底に陥れる電話をテーマにした本作は、1978年に公開されたショッキングホラー『夕暮れにベルが鳴る』がオリジナル。全米ではアメリカ興行成績初登場第一位を記録する大ヒットとなった。

人里離れた丘にポツンと建つ豪邸に、ベビーシッターとしてやってきた女子高生ジル。夜になって電話が鳴り、出ると、見知らぬ男の声が。その電話は何度も何度も鳴り響き、次第にジルを追い詰めていく。ついに警察に連絡をして電話の発信元を探り当てたとき、彼女の恐怖は頂点に達する。
生きてここから出られるのか・・?

(少々ネタバレあり)
ストーリーは至ってシンプルで、舞台は殆ど家の中と庭先程度。しかも、血を一滴も見せずにこれだけの恐怖を煽るとは、大ヒットも頷ける。”死にそうな人物”がすぐ分かったり、ビックリ系の演出が目立ったりと、さほど新鮮味がないはずなのに、この手の映画の中ではかなり怖いと思う。思わせぶりなキーワードが多々あったので、家主に何か秘密があるのか、犯人の正体に意外な真実ありか?など予想していたが、そういうドンデン返しは何もなし。徹底してシンプルなストーリー。う~ん、もうちょっと何か知りたいのに・・と思うところで映画は終わる。
ヒロインを演じるカミーラ・ベルは迫真の演技で、今後活躍が期待される女優の一人。
続編が出来そう。

キーワード;
ボーイフレンド、猫、アイスキャンデー、氷、メイド、親友、インコ、かがり火、池、病院

When Stranger Calls
2006年アメリカ
監督:サイモン・ウェスト
出演:カミーラ・ベル、ブライアン・ジェラティ、ケイティ・キャシディ、トミー・フラナガン他

6月、渋谷Q-AXシネマ、新宿K's cinema他にてロードショー

(c) 2006 Screen Gems, Inc. All Rights Reserved


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『レベル・サーティーン』 [映画(サスペンス、スリラー)]

最近この手の映画が多い・・。
新ジャンルかな。『CUBE』や『SAW』に代表されるような”究極系”。単純にサスペンスとも言えないし、ミステリーのような謎解きでもないし、ホラーともちょっと違う。言ってみれば、人間が一番苦手な部分や生理的に嫌悪感を覚える感覚に訴える映画だ。本作は、ディヴィッド・フィンチャー監督の『ゲーム』と『SAW』と『トゥルーマン・ショー』を足したようなストーリー。でも、これまで観たどの究極系映画より一番不快で悪夢な内容だった。

ああああああああ・・・。
観なきゃ良かったああああああああああああああああああ(涙)。
思い出したくもないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい(大泣)。

でも観るべきだった(爆)。
面白いことは面白いのだ。
だって、監督は弱冠26歳のマシュー・チューキアット・サックヴィーラクル(長・・)。
しかもアジア系でこのタイプの映画が注目されたのは初めて。
『キル・ビル』『シン・シティ』を製作してきたワインスタイン兄弟が全米配給権&リメイク権を入手しているのだから、仕事柄、観ないわけに行かないでしょ(笑)。

楽器会社のセールスマン、プチットは、ある日突然に会社をクビになる。故郷の母親からは借金の無心、車のローンも滞納。破産寸前の彼の元に、一本の電話が。
「おめでとうございます。幸運にもあなたはゲームの参加者に選ばれました。これから13のゲームをクリアすると最大3億円の賞金を獲得できます」
最初の難問は目の前の蠅を退治すること。
プチットは誘われるように蠅を仕留めてしまうが、それが途方もない悪夢の始まりだった。彼にしかけられたゲームは会員制のインターネットサイトで不特定多数に試聴されていたのである・・・。

ううう、あああ。
思い出しながら書いているので嫌悪感が(爆)。
一応、だんだんにレベルが難しくなっていく設定なのだろうが、レベル2でいきなりレベルアップ(爆)。
13のゲームでは死人まで出てしまい、純粋で素直な人格だったはずのプチットも殆どヤケクソ、完全に壊れていく。
ところどころにブラックユーモアも交えてあるのが救いだけど、アレだけは・・(涙)。暴走族を止めた場面も、肉を喰らう場面もまだアレよりは許せる。
あああアレだけは止めて欲しかった!!!!!!アレだけは!どうしてくれるんだ!!!
亜jjr2オ『-@olr23 kiof打ヴk1:p ff、:lレんdかjfd手s;えをgjm:w”!!!!!(涙)。
ラストは・・救いがない・・どうしようもなく救いがない・・。
でも・・リメイク版はちょっと観たい・・(爆)。
なんでレイトショーなの?

ああああああああああああああ魘されるぅうぅううう(涙)。
これ書いてる自分もいつになく壊れている気が(爆)。

帰りのエレベーターに乗り合わせたおすぎが、
「あ~もうダメ!生理的にダメッ!も~途中でどうしようかと思っちゃったワ」
と話しているのを聞いてしまいました・・。

キーワード;
同僚、蠅、携帯電話、保育園、中華レストラン、バス、会員制サイト、元カノ、老婆、少年時代、犬、牛、父親

2006年タイ
監督:マシュー・チューキアット・サックヴィーラクル
出演:クリサダ・スコソル・クラップ、アチタ・シカマナ、サルンヨー・ウォングックラチャン、フィリップ・ウィルソン他

6月、シネセゾン渋谷にてレイトショー
http://www.level-13.jp/

©2006 Sahamongkol film International Co. Ltd. All Rights Reserved


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『そして、デブノーの森へ』 [映画(サスペンス、スリラー)]

作家と運命の女(ファム・ファタール)の駆け引きを描いた大人のミステリー。シャネルのミューズ、アナ・ムグラリスがキーパーソンのヒロイン・ミラを妖しく演じているのが話題。作家役にフランスの名優、ダニエル・オートゥイユ。監督はフランチェスコ・ロージやフェでリコ・フェリーニのもとで映画製作を学んだロベルト・アンドゥ。

世界的人気作家のセルジュ・ノヴァクは、作品の面白さは勿論のこと、年齢や出身地など本人に関する情報が一切明らかにされていないこともあり、人々の興味を駆り立てていた。
そのセルジュの名で執筆活動をするダニエルは、ある日、義理の息子の結婚式に出席するため南イタリアのカプリ島へ向かう。船で乗り合わせた美しい女性、ミラに一瞬にして心奪われたかれは、誘われるまま彼女と一夜を共にする。
翌日、ダニエルが出席した結婚式の花嫁はミラ。
人妻になってからもミラはダニエルとの逢瀬を続け、ダニエルも妻に隠れながらミラとの情事を重ねる。
しかしある日、ダニエルのもとに、ミラとの行為を隠し撮りされた写真と、セルジュ・ノヴァクの本当の正体を暴露する古い写真が送られてきた・・・。

ダニエル・オートゥイユあんまり好きじゃないんだけど・・確かにこういう役にはピッタリ来る。
ベッドシーンがそろそろ苦しいな・・(苦笑)。
ミラ役のアナ・ムグラリスは、さすがにモデルだけあって美しい肢体を惜しげもなくさらしている。
強い眼差しが”何かを企んでいる”感を印象付ける。
ときに計算高く、それでいて、ときに物思いに耽るような謎めいた女。
アナは一体何者なのか、何故突然現れたのか。
全てを手に入れながら全てを失っていくダニエルと、彼を待ち受ける悲劇。
そしてもう一人のキーパーソン、ミラの親友エヴァの出現によって、観客の心は益々乱されていく。
文学的要素の強い物語で、筋立てもよくできている。原作があるのかと思いきや、監督のオリジナルらしい。
イタリアの美しいロケーションやアナが着こなすシャネルやフェンディの衣装など、見所は多い。

キーワード;
結婚式、イディッシュ語、船、森、旧友、盗作、原稿、自殺、ピストル

Je Prix du Desir
2004年フランス
監督:ロベルト・アンドゥ
出演:アナ・ムグラリス、ダニエル・オートゥイユ、グレタ・スカッキ、ミシェル・ロンズデール他

6月、シアターイメージフォーラム他全国順次公開


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『吉祥天女』 [映画(サスペンス、スリラー)]

吉田秋生原作の傑作コミック、待望の映画化。
私が高校生の頃、友人に借りて読んだ覚えがある。その友人ほど私は漫画の世界を知らなかったので、いわゆるロマンチックな少女マンガのイメージを覆す絵柄と内容のものを恐らく初めて読み、カルチャーショックを受けた。物語は忘れても、イメージだけは強烈に覚えている。ヒロイン、小夜子のキャラクターは17歳とは思えぬ妖艶さを漂わせていた。

本作で彼女を演じるのは鈴木杏。

昭和45年、金沢。
長い黒髪に吸い込まれるような瞳を持つ妖艶な美少女・叶小夜子は、5歳の頃にこの地を離れて暮らしていたが12年ぶりに実家に戻ってきた。由似子を含むクラスメイトたちは、たちまち小夜子の虜になる。叶家と対立関係にある遠野家の兄弟、暁と涼も小夜子に翻弄され、兄弟の関係が狂っていく。由似子は小夜子に強く憧れ、友情を育んでいく。しかし小夜子の周りでは、彼女と関わった人間が次々と変死する事件が起きて・・・。

10代でありながら大人の色気と妖艶さを持つ小夜子役に相応しい同年代の女優は見つからないと思うので仕方ないけど、鈴木杏が小夜子のイメージとちょっと違う(観ているうちに違和感はなくなるが)。むしろ、脇を支える由似子役の本仮屋ユイカや由似子の姉の市川実日子が良かった。映画は、原作をもう一度読まないと分からないが変に幻想的にせず、小夜子が背負った悲しい宿命や運命をリアルに表現。小夜子のキャラクターも、同年代の少女には母性的な優しさを見せる反面、男に対しては魔女のように振舞う二面性が強調されていた。鈴木杏だからか、漫画版小夜子より清純なイメージに感じられる(涼役の勝地涼と暁役の深水元基は特に漫画のイメージに似ている)。
ラストが安っぽいお昼のサスペンスみたいでちょっと・・^^;
カテゴリが微妙・・「青春」とするのも何か抵抗があって、サスペンスに。

キーワード;
天女伝説、神社、能楽、婚約、殺人、火事、羽衣、銃

2007年日本
監督:及川中
出演:鈴木杏、本仮屋ユイカ、勝地涼、市川実日子、深水元基、津田寛治、江波杏子、嶋田久作他

初夏、渋谷Q-AXシネマ他全国公開

(C)2006 吉田秋生・小学館/『吉祥天女』製作委員会

「吉祥天女」の原作はこちら↓

吉祥天女 (1)


吉祥天女 (2)


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『キャプティビティ』 [映画(サスペンス、スリラー)]


『24-TWENTY FOUR-』でブレイクしたエリシャ・カスバートが密室スリラーのヒロインに!しかも、カルトムービーの鬼才、ラリー・コーエンが脚本、監督は『キリング・フィールド』『ミッション』でアカデミー賞にノミネートされた ローランド・ジョフィ。
これだけ注目すべきスタッフ・キャストが揃っているのに、結果は期待はずれ・・だった。

人気絶頂のトップモデル、ジェニファーが見知らぬ部屋で目を覚ます。殺風景なコンクリートのその部屋は完全な密室。彼女は何者かによって誘拐され、ここまで連れて来られたらしい。別な部屋ではジェニファーをさらった”何者”かが、モニターで彼女の様子を見ていた。その頃、彼女の失踪に警察も動いていたが、そうとは知らないジェニファーは何度も脱出を試みては失敗する。やがて、隣の部屋に自分と同じように監禁されている男性が居ることを知るジェニファー。互いに協力し合い、励ましあううちに恋に落ちていく2人だったが・・。

物語は2部構成になっていると言っていい。前半は密室でのパニック。後半は犯人との闘い。しかし・・前半の密室劇は全然緊迫感がないし、後半の、意外な事実が明らかになったときも、”ふーん、そうくるか”と思ったらすぐに先が読める。つまらなくはないのだけど、平凡なスリラーになってしまった。ロマンスを絡めたのもお粗末。相手役のダニエル・ジリスが全然魅力的でないし。

因みに本作は、ロシアとアメリカの合作映画。『モンスター』(シャーリーズ・セロンがオスカー受賞)のプロデューサー、マーク・ダモンが、国際的な商業映画をロシアで製作することを目指すRAMCO社(ロシアン・アメリカン・ムービー・カンパニー)と結託して作られた。撮影はヨーロッパ最大の映画スタジオモス・フィルムにて。このプロジェクトと今後の活動には大いに興味をそそられる。

キーワード;
ぬいぐるみ、銃、ポスター、爪、懐中電灯、砂、カメラ、テレビ

Captivity
2006年アメリカ・ロシア
監督:ローランド・ジョフィ
出演:エリシャ・カスバート、ダニエル・ジリス、ブルイット・テイラー・ヴィンス他

初夏、シネマメディアージュ他にて全国公開


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『あるスキャンダルの覚え書き』 [映画(サスペンス、スリラー)]


先日催されたアカデミー賞で、主演&助演女優賞他にノミネートされた話題作。
ベストセラーである原作は映画化権が激しく争われ、最終的に『めぐりあう時間たち』『アイリス』の製作コンビ、スコット・ルーディンとロバート・フォックスが権利を獲得。主演にジュディ・デンチ、助演にケイト・ブランシェット。監督は『アイリス』のリチャード・エアーという期待に膨らむスタッフ・キャストで作られた。

ロンドン郊外の中学校で歴史を教える教師バーバラは、その批判的で厳格すぎる態度で周囲から疎まれていた。孤立しているバーバラは、ある日現れた新任の美術教師シーバに注目。バーバラは毎日彼女の観察日記をつけ、彼女と特別な絆を感じた日には金星シールを貼り付けていた。しかしある夜、シーバが教え子である男子生徒とセックスをしている場面を見てしまう。シーバを呼び出して事の真相を問い詰めたバーバラは、彼女の秘密を握ったことで絆が一層強いものになったと思い込んだ。が、2人の友情のバランスは次第に危ういものになっていき、ついに「そのとき」が来てしまう・・。

バーバラとシーバは、孤独という共通性を持っている。しかし、相手の弱みを利用して無理やりに友情を築こうと次第に本性を剥き出しにしていくバーバラは、全てにおいて信頼性に欠ける人物だ。キャリアの長いデンチにとっても、こういうキャラクターを演じるのは珍しい。

ケイト・ブランシェットが演じるシーバは、清潔感を漂わせながらもどこか妖しい魔力の持ち主で、周りの人間を次々と魅了する。夫と2人の子供を持ち満たされているはずの40女が、15歳の少年との情事に溺れていく姿はどこか痛々しい。そして、彼女はバーバラを純粋に信じきっている。だからこそ、心の内をさらけ出すことが出来たのだ。

バーバラはそれを客観的に観察しては日記に記し、歪んだ友情を築いていく。彼女が愛しているのは自分だけで、他者から敬遠されたと感じると手のひらを返したように本性を現す。そして、こういう人物に限って、”自分は他人から感謝されている”と思い込んでおり、「何故自分は拒まれたのか」と省みることを決してしない。

全てが崩壊してからもバーバラは自分のしたことの重大さに気づかず、またしても次の標的を見つける。恐ろしくもリアリティに富んだ物語で、息つく暇もなかった。
音楽がドラマティックすぎて少々煽りすぎ。
シーバの都市の離れた夫に『ラブ・アクチュアリー』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのビル・ナイが扮している(この俳優好きだわ)。

ところで、シーバと教え子の不倫関係はモデルがあるという。
http://www5.big.or.jp/~hellcat/news/0405/10a.html

因みにブランシェットのファッションが素敵で、サスペンスに緊張しながらもファッションチェックは抜かりなくしました(笑)。

実を言うと私も、最近まで彼女にとても似た人を知っていたので他人事と思えず見ていた。映画の中で起きる出来事はもっと大きなことだけど、デンチ演じるバーバラの考え方や価値観がそっくり。彼女のような女性は、探してみると結構身近に一人ぐらいは居るものなのかも。
・・だから、ついつい興奮して長くなってしまった^^;

キーワード;
家族、猫、個人授業、シール、ネックレス、クリスマス、密告、新聞

Note on a Scandal
2006年アメリカ
監督:リチャード・エアー
出演:ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット、ビル・ナイ、アンドリュー・シンプソン他

6月、シャンテ シネほか全国順次公開

(C) 2007 TWENTIETH CENTURY FOX


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『13/ザ・メッティ』 [映画(サスペンス、スリラー)]

すごい映画を観てしまった。グルジア出身で17歳でパリに移った驚異の新人監督、ゲラ・バブルアニの出現に映画界は衝撃を受けているという。集団ロシアンルーレットという極限の恐怖を題材にしながら、一滴の血も流さずスリリングに展開していくモノクロ映画。既にハリウッドでも再びバブルアニ監督がメガホンを取ることでリメイクが決定している。主役候補にはブラッド・ピットやレオナルド・ディカプリオやホアキン・フェニックスらが名を連ねているというので楽しみだ。

グルジア移民で貧しい家庭に暮らす22歳のセバスチャンは、ある日、仕事先で偶然雇い主に宛てた封筒を手にする。中にはパリ行きのチケットが。「ある方法で大金を手にすることができる」と雇い主が話していたのを既に聞いていたセバスチャンは、その秘密がこの封筒にあることも知っていた。迷うことなく、パリに向かうセバスチャン。次々と現れる「13」という数字に誘われて彼が行き着いたのは、13人のプレーヤーに大金を賭けて生死を競わせる”集団ロシアンルーレット”を行う場所だった。13人が円になって並び、前の男の後頭部に銃口を突きつける。ゲームの駒にされたセバスチャンは逃げることもできず、人を殺す悪夢と自分が殺される悪夢を二重に体験することになる・・・。

ロシアンルーレットの場面は手に汗握るどころじゃない、嫌~な場面の連続で心臓に悪い。デスマッチなので、最後に一人生き残るまでゲームは繰り返される。休憩を挟み、再開するときは銃に込める弾の数を前回より一つ増やす=死ぬ可能性がだんだんと高くなる。恐怖のあまり暴れだして嫌がる男、ゲームの進行役の男の怒声・・その光景は、まるでその場に居合わせるかのような不思議なリアル感が漂っている。ロシアンルーレットまでの導入部の40分も、別な意味での緊張感に満ちており、思わせぶりで不穏な印象を残す。先述の通り、バブルアニ監督は17歳まで政情が不安定な旧ソ連のグルジアに暮らしていた。彼の父親もベルリン国際映画祭で特別銀熊賞を受賞した著名な映画監督で、勿論その影響も受けているが、グルジアではハリウッド娯楽大作は公開されず、クラシック映画を観て育った彼が垢のついていない状態で生み出したのが本作であると言える。13という数が果たしてアンラッキーナンバーかラッキーナンバーかを知る衝撃の結末は、観た人だけのお楽しみ。ハリウッドで新たなスリラーとして再び誕生する日が待たれる。

キーワード;
屋根修理、麻薬漬け、封筒、パリ、列車、ホテル、13、銃、黒のセダン、金

13TZAMETI
2005年フランス
監督:ゲラ・バブルアニ
出演:ギオルギ・バブルアニ、オーレリアン・ルコワン、パスカル・ボンガール、オルガ・ルグラン他

4月、シネセゾン渋谷にて公開


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『情痴 アヴァンチュール』 [映画(サスペンス、スリラー)]

注目のフランス女優、リュディヴィーヌ・サニエの最新主演作。『8人の女たち』『スイミング・プール』などフランソワ・オゾン監督のミューズと言われる彼女の変幻自在な魅力を改めて印象付ける一作で、何らかのトラウマを抱え傷つきながら生きる現代女性の姿を熱演している。共演は、この映画がきっかけでサニエと結ばれた二コラ・デュヴォシェル。『さよならS』で鮮烈なデビューを飾り、ミュウミュウのモデルとしても活躍する彼の、久々の日本正式公開作品でもある。

パリで恋人と同棲し始めたジュリアンとセシル。ある晩、仕事から帰ったジュリアンは、ずぶ濡れで裸足の女性に出会う。訴えるようなその瞳に吸い寄せられるように追いかけるジュリアンだが、彼女は夜の闇に紛れてしまう。翌日の昼間に再び彼女を見かけると、昨夜とはまるで別人のように美しい。彼は彼女が夢遊病者だと知り、放って置けなくなるが・・・。

サスペンスとしての要素が濃く、この先どうなるのか引き込まれる。映画全体を、冷たくも魅力的なオーラが包んでいる。そして、キャスティングの成功も大きい。リュヴィディーヌ・サニエ演じる夢遊病の女性・ガブリエルの生き方はあまりに痛々しく、見ているのが辛くなるほど重症な恋愛依存症。「捨てないで」と男にすがる姿は小さな子供のようだ。ただ、この映画を恋愛映画として見ると、ちょっと物足りないかもしれない。ガブリエルの精神的内面が深く描かれているが、これがあまりに哀れで、恋愛云々より現代女性が抱える”時代の病”と言える部分の方が強調されているからだ。一方、ガブリエルに惹かれるジュリアンは終始無表情で一見何を考えているのか捉えにくいが、ビデオアーカイヴの図書館で働く彼が、恋人とすれ違いの生活を続け、孤独に囚われているのは明らかだ。そんな彼が、ある意味夢見るような形でガブリエルに近づき、やがて全てが崩壊へと向かうクライマックスは緊張感に満ちている。残念なのは、ガブリエルの過去に全く触れられていないこと。敢えてそうしたのだろうが、ここまで傷ついている彼女の過去は尋常ではなかったはず。一体何が明らかになるだろうと期待して観ていたのに、結局一切分からなかった。最後の最後まで謎を残すなんて、いかにもフランス映画らしい・・。

監督は新鋭グザヴィエ・ジャノリ。今、フランスで最も注目を集める若手である。

キーワード;
ビデオ図書館、夢遊病、射撃、愛人、夜、子供、人格障害、自傷、既婚者

Une Aventure
2005年フランス
監督:グザヴィエ・ジャノリ
出演:リュヴィディーヌ・サニエ、二コラ・デュヴォシェル、ブリュノ・トデスキー二、フロランス・ロワレ=カイユ他

3月下旬、シネマスクエアとうきゅう他にて公開


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『デジャヴ』 [映画(サスペンス、スリラー)]

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなど大ヒット作を世に送り出したハリウッドのヒットメイカー、ジェリー・ブラッカイマー製作のサスペンス巨編で、主演はデンゼル・ワシントン。激しいアクションと練りに練られたストーリーで観る者をぐいぐいと引っ張っていく(ネタバレになるので、内容については極力詳細を述べないよう注意されている)。

543名もの犠牲者を出した大型フェリー爆破事件。捜査官のダグは、「彼女を知っている」と”デジャヴ”を覚えた一人の女性の遺体と対面。直ちに特別捜査班が置かれ、政府が極秘に開発した映像装置、タイム・ウィンドウが用意される。そこでダグは、時間を越えた事件解決法に乗り出すのだった・・。

このタイム・ウィンドウ、実際にはあり得ない。7基の軌道衛星から送られてくるデータを処理することで、ターゲット・エリア内であればどの角度からでも見たいものを映し出すことが出来るというもの。だから劇中では、遺体の女性の4日前の映像が映し出される。しかも、彼女が部屋で何をやっているかまで・・覗き見以外の何でもない。このタイム・ウィンドウのシーンが少々長すぎで睡魔が(爆)。しかし、それ以外はテンポが早く、特に激しいカー・チェイスの場面は迫力たっぷり。デンゼル・ワシントンの良心的な演技に新鮮味はないものの、本作の注目俳優はヒロインのポーラ・パットンと、ジム・カヴィーゼル。特にカヴィーゼルはあの問題作『パッション』でキリストを演じたが、今回は一転して冷徹で残忍なテロリスト役・・なのに何故か色気が。彼の最期のシーンに萌えた私は一体(爆)。いかんいかん、またしても悪役に惹かれる悪い癖が(笑)。

キーワード;
フェリー、拳銃、留守番電話、マグネット、ワンピース、車

DEJA VU
2006年アメリカ
監督:トニー・スコット
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:デンゼル・ワシントン、ポーラ・パットン、ヴァル・キルマー、ジム・カヴィーゼル他

2007年3月公開


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